日本初の手に握れる実際のビットコイン「悟コイン(サトリコイン)」


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お金・マネー学への関心

「悟(サトリ)コイン」を発案したのが株式会社来夢(本社・三重県)の代表取締役・韓元徳氏です。大学では美術を専攻しました。

一歳年上の実兄で学問に強い義徳氏から「オーストリア学派」の存在について話を聞かされました。韓社長の説明によると、近代経済は消費総需要に重点を置いた不換紙幣ベースの「ケインズ経済モデル」で、これが圧倒的主流となっています。その対極にある学派が、労働と貯蓄から得た資産を有形資産にアンカーした兌換紙幣を活用する経済モデルです。

ビットコインとの出会い

創業者がビットコインをWEB上で初めて見かけたのは2012年の夏ごろ。「暗号通貨」、英語で「CRYPTO
CURRENCY」の文字とセットで、仮想通貨という意味。今ではお馴染みのオレンジ色の「B」マークを最初に見た時だったそうです。

最初の印象は、「これは怪しい」と、思い最初はスル―しました。また、尊敬しているブロガーがビットコインを強く否定していること知り案の定という気持ちだった。しかし、当然だな、と思っていた矢先に、徐々に彼のトーンに変化が生じ、数か月後には否定を撤回して、そのまた数か月後は容認して、最後には絶賛する過程を目の前にして、これは本格的に勉強をしなければいけないと決意したのが、ビットコインとの出会いだったそうです。

ゴールドやシルバーといった貴金属が持つ歴史的な裏付けと、有形であるといった点以外は、「良きマネー」として求められる全ての性質を凌駕するビットコインは、テクノロジーとマネーの両観点から、知性への挑戦であると認識を持った瞬間でした。

ビットコインATM事業から学んだこと

2014年の春、日本で初めてビットコインATMを輸入し公開したのも同じ創業者だったのです。そして、ATM事業から学んだ経験を生かして開発されたのが悟(さとり)コイン。デジタルでその仕組みが理解されにくいビットコインをどうすれば一般の人に受け入れてもらえるのかを考えた際に出てきた案だと言う。

アメリカからビットコインATMを輸入して販売したところ、瞬時に肌で感じたのは、ATMを提供するサービスとユーザーが求めている内容が大きく乖離していた点に気づいたのです。ATMは金融業界の法令遵守を準拠に設計されていて、当時は世界最高レベルのAML(アンチマネーロンダリング)対策が施されていました。ユーザーがビットコインを購入するには、PIN番号入力、手のひら静脈スキャン、免許証スキャン、ウェブカム顔写真照合、等々が要求されました。

当時はただでさえビットコインは胡散臭いイメージが強く、面倒くさい複雑な手続きをしてまで、ビットコインを購入したいと思う人は少なかったです。

これではビットコインユーザーを増やすことはできないと考え、発想をガラッと変えました。最先端のデジタル技術を生かしたATMでは操作が難しすぎました。そのためユーザーがビットコインを取得するまでの敷居をどこまで低くできるか、を模索し始めます。そして一年以上の歳月をかけ、試行錯誤の上開発されたのが、世界で一番安価な、ビッコインが実装されたフィジカル・コイン「悟コイン」です。

ビットコインのデジタルの問題をアナログ的に解決

まず最初に取り組んだことは、デジタル的にしか存在しないビットコインに親近感を与えることでした。実は、創業者はコンピューター・プログラミングが一切できない、基本的にはアナログ人間でした。

それが幸いし、デジタルな問題をアナログな発想で解決しようと考え、本来触ることが出来ないビットコインを触れるようにすればいいとひらめきました。触ることは存在を確認することであり、人は物に触れて初めて親しみを抱くようになります。ビットコインは仮想通貨と呼ばれることもあり、触れる対象物としてコイン型の「器」を選択するということを編み出したのです。

初心者向けのビットコイン体験キット

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「器」が決まったあとは、いかに気軽にビットコイン未経験者に悟コインを購入していただくかが次の課題でした。マウント・ゴックス事件後のビットコインは何だかよくわからないけど、大損をすると思われていたので、購入者の不安感を取り除く必要がありました。

小数点以下8桁あるビットコインをどこで線引きすれば初心者の体験キットとして一番ふさわしいのか検討した結果、最終的に決まった額は0.001BTC(現在レートで約40円)でした。この額より少ないと所有感が薄れ、また、反対に多いと何かあった時に損感がでます。ビットコインの所有は宝石や貴金属と同じで購入後は自己責任です。

ダイヤの指輪をなくしたから、又は、盗まれたからといって売ったお店が弁償してくれないように、ビットコインを盗まれても自分を責めるしかありません。但し、取扱いを間違えなければ、ビットコインを失うことはありません。間違った取扱いの例を上げれば、悟コインの裏面に貼られているセキュリティ・ホログラム・シールを剥がす作業をビデオ撮影し、ブログやユーチューブにアップする行為です。ホログラムの下に隠されているQRコード化された秘密鍵は誰にも見せてはいけないのですが、それを知らない悟コインのオーナーがアップした動画を見た人が先にQRコードを「消費」すれば0.001BTCはその人のものになります。

欧米では、SNSにアップされた写真に写ったバーコードを別人が勝手に「消費」するケースが起こっています。しかし、仮に管理ミスによる事故が起こったとしても、失った額が0.001BTCであれば、勉強代としてあきらめがつき、悔しさのあまり眠れなくなることはないでしょう。

購入にめんどうな手続き一切必要なし

悟コインは、開発の段階で購入者の多くはビットコイン初心者になることが想定されており、購入プロセスを自販機で飲料を買うのと同じレベルが基準となっています。もちろん、身分を証明する必要はありません。

正式なローンチを控えていますので、まだ開示されていません。誰もが知っている、親近感と遊び感覚たっぷりの方法を使って、一挙に全国展開で販売いたします。

万全のセキュリティ体制

悟コインは、安さを追求するあまり、最も大切なセキュリティを犠牲にしていませんでした。悟コイン・プロジェクトの技術パートナーとして、外資系投資銀行のIT部門での豊富な経験を持ち、株式会社Bi得の創立者であり代表取締役社長のジェリー・デイビッド・チャン氏を招き、秘密鍵の生成と管理に細心の注意を払っています。

巨額な負債を抱え倒産し、有名になったビットコイン交換所マウントゴックスの事件は、簡単に説明すれば、貸金庫の経営者がお客様全員の金庫の鍵を預かり乱用したのと同じです。悟コインについては、仕組み上コインが完成後秘密鍵のデータを削除されますので、経営サイドがお客様の秘密鍵を保有し乱用することはできません。

マウントゴックス事件をより深く理解した人にとって悟コインは良い勉強材料になっているのです。

オーストリア学派の創に捧げたデザイン

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悟コインのデザインについては、パートナーのアヤ・ワルレーブンが担当し、ビットコインとオーストリア学派(カール・メンガーの流れをくむ経済学者たちの学派)の一見相反するコンセプトを融合し、美しく仕上がっています。

「価値は人間の意識の外部に存在しない」はオーストリア学派の創であるカール・メンガーの名言ですが、この世に価値を内在する物は、例えそれが純金であっても、存在しないと悟ったとき、果たしてビットコインに価値はないと言い切れるでしょうか。

「悟コイン」の将来について

ビットコイン初心者向けの体験キット以外の用途として、今後はビットコインという価値が付いたコイン型広告媒体としての需要を開拓すると語っていました。プレビューとして悟コインを無償配布したところ、ぜひオリジナルコインを製造してもらいたといとの依頼をビットコイン事業者から受けたからです。

例えば、「0.001BTCに設定されたコインの中に、1枚だか1BTCが実装されたコインを混ぜれば、当たりくじつきの販促品として、マンネリ化したペンやUSBメモリを配るよりイベントを盛り上げられる」っと、悟コインを他の業界が欲しがるような魅力ある販促品に育てたいと意欲満々です。

さらに、増額した高品質バージョン、例えば0.01BTC / 0.1BTC / 1.0BTC 展開も視野に入れています。