イットビット(itBit) の銀行法憲章が真に意味するものとは
New York Law Schoolの教授であるHouman B Shadabが、itBitの銀行法憲章の意味-本法の米国内外でのデジタル通貨交換に対する効果-について解説します。
ビットコイン取引所は創設以来、法的グレーゾーンの中にあります。itBitに関してニューヨーク州の交換所への適用からたった1日で50すべての州に銀行法憲章を通達しました。
ほとんどすべての州において、Western Unionのようなこれまでの仕組みによる送金に必要な資格は有しています。安全ではあってもコストが高いルートでのビットコインの交換手続きは仮想通貨ビジネスにおいては、どの州でも資格が必要だろうとされています。しかしこれに関してはまだまだ明確化されていません。
例えばテキサス州ではデジタル通貨の送金に資格を必要としていません。ニューヨーク州やカリフォルニア州では資格が必要になりますが、最終的に法整備がどうなるのかという疑問が残っています。例えばCoinbaseの交換では、少なくともニューヨーク州やカリフォルニア州でも資格が必要ありません。
信託憲章
itBitは送金資格に関する不明瞭な部分の多くを明確にしました。ニューヨーク州の銀行法を元に信託憲章となりました。ニューヨーク州の法律では、信託会社は銀行とば別の技術を有しているとされています。信託会社では預金を預かったり、融資を行ったりという銀行業務すべてを取り扱うことができます。The Deposity Trust CompanyやNorthern Trustやthe Bank of New York Mellonといった会社になります。
特にitBitは信託会社の融資目的の預金という限定目的のために認可を与えています。
itBitでは厳格な要件を兼ね備えており、ニューヨークの商業銀行の継続的な監視下に自らを置いています。
しかしながら、itBitはFederal Deposit Insurance Corporation (FDIC)の補償対象にはなっていません。これは商業銀行よりも資本金が低いからです。
ニューヨーク州の銀行法の下にありながら、itBitは銀行ではなくFDICなどの規制もありません。銀行はデジタル通貨の交換のためには規制が多くコストも高いため、itBitはこれらを調整され定義されています。
しかし、itBitは顧客の資金を分離して管理しています。間接的にFDICの監視下におかれ、コンプライアンス義務の対象となっているのです。ビットコインのCoinbaseやCircleと同様にFDICの補償を提供しています。
送金
ニューヨーク州の法律のもとでは、itBitは送金資格についても明確化してきています。
昔からの送金法の下でも資格を必要としなくなっており、国全体でもその動きとなっています。
例えば、ニュージャージー州ではitBitのような信託会社でも資格なしに送金が行われています。
ニュージャージー州やイリノイ州とは多少違いますが、カリフォルニア州でも資格は必要ありません。
黄金の州
それにもかかわらずitBitはまだまだ手続きが必要な感じがしています。
カリフォルニア州では(範囲外の特殊な)信託という境界があるという認識であり、この特殊な信託銀行はオフィスを必要としていません。電子取引においては、itBitは近い将来カリフォルニア州にオフィスを構える予定です。
他の州においても「オフィスを開設すること」を銀行としての許可とする法律は、itBitのモデルには合わないのです。
カリフォルニア州で事業を行う事を許可された(範囲外の特殊な)信託というのは、企業の信頼に関わるものです。
確かに前例はないのかもしれませんが、itBitが送金資格を必要としているのです。ワシントン州でも同様の問題が起きています。
ルイジアナ州では「連邦政府が補償」という条件が必要となっています。itBitがその条件に合うかは明確になっていません。
ニューヨーク州の銀行法に適用されるまでには時間もお金もかかりました。しっかりしたエコシステムとしてのビットコインへの信頼を構築して、幅広く動作させるための基盤としました。すべての州において送金資格を取得し、国全体で銀行とのパートナーシップを築けるのが最善策だと考えています。
25百万ドルの開示についてもitBitは動じることはありません。そうすることで、最低資本金の条件にさらされることもなくなるからです。
itBitが銀行法の信託の条件をクリアするかどうかはわかりません。しかしその不確実性は米国の送金法の改革へとつながるのです。
これは国内の基準を統一することにもなり、認可ビットコイン企業として仮想通貨事業を行う事ができるようになるはずです。