ロシアはビットコインを禁止したいがブロックチェーンは始めたい
ビットコインの規制について世界中でさまざまな議論があるが、恐らくロシアほどデジタル通貨の未来について国際的なビットコインコミュニティを推測し続けている国もほかにないだろう。
1年以上、国家経済に関する立法機関であるロシア連邦の財務省は、繰り返し、政府が発行する通貨の代替物としてのビットコインの使用に反対してきた。たとえば、ちょうど先月、財務大臣代理のアレクセイ・モイセーエフ(Alexey Moiseev)は、暗号通貨をロシアの通貨であるルーブルに変換すると最大4年の刑で罰する法律の草案にとりかかっている、と語った。
しかしながら、これらの言明以外は、金融技術としてのビットコインについての政府機関の見解は不鮮明だ。モイセーエフは、「財務省はビットコインとその根底にある技術に異なる対処をしている。」と語った。
「われわれは、ブロックチェーン技術は、インターネットベースのさまざまなサービスの開発には非常に重要だと感じている」
にもかかわらず、モイセーエフは、支払いを円滑にする手段としてのビットコインの危険性を語り続けた。しかし、彼のコメントは、財務省が表面上意図してきたものより攻撃的な姿勢ではなかった。
「われわれは、電子商取引開発での、ブロックチェーン技術の潜在的な関連性を歓迎しており、それゆえ、ブロックチェーンは開発が許可されるべきだと思うが、しかし、ビットコインそれ自体は、特にビットコイン取引の実経済への実装は、現実の銀行システムには非常に危険だ」と結論付けた。
モイセーエフはまた、その理由を説明した。財務省は、新しい規則が必要だと考えており、デジタル通貨団体とマネーロンダリングやテロの資金源をあげた。しかし、ロシアがビットコイン変換を犯罪とする法令を当てにする一方、モイセーエフは、ビットコインがロシアの通貨になるとは考えにくい、と述べた。
ビットコインとテロリズム
ビットコインの登場以来、政府の調整機関はデジタル通貨を規制するよい方法の決定と、ビットコインを利用するビジネスに適用される新しい法律が必要かどうか、苦闘してきた。
たとえば、ニューヨーク州は、ビットコインの使用を統制する独特の州法を導入したが、この件で早期に動いたにもかかわらず、その他の州は主として、ビットコインの技術におよぶように、過去の法律を改定し適用することを試みてきた。
デジタル通貨について所見を述べた政府機関の多くが、サイバー犯罪者によって支払いシステムが使われていることを懸念している。その裏づけとして、ビットコインがテロリストによっててこ入れされるかもしれないという恐怖が増長している。パリでのテロリストの攻撃で、新たな注目を浴びつつある見解だ。
テロリズムの話題は、同様にモイセーエフの考えでも明白になっている。財務大臣代理は、ビットコインが国家の金融システムをより脆弱にする潜在的可能性を表明した。
「われわれは、既存の銀行システムを使ったマネーロンダリングや金融テロリズムに対する保護システムを構築してきた金融システムでの潜在的な可能性のある開発に関して、非常に懸念している。われわれは、ビットコインのルーブルへの変換やその逆が自由にできるようになることで、これに穴が開くことを非常に恐れている」
彼は、それからさらに踏み込み、ロシアは、ビットコインがヨーロッパでもどこでも、いかに規制されているかに言及した。
「われわれは、ビットコインがいかに規制されているかを、マネーロンダリングやテロリストによる潜在的な乱用から保護されているかに注目している」と付け加えた。
ロシアにおける暗号通貨
このインタビューで明確さが追加されたにもかかわらず、モイセーエフの見解は、ビットコインの技術がロシアでどのように規制されるのかの予想に成功していない。
ロシアの中央銀行は、その使用が違法となるのは法案に反すると示唆しており、その見解はウラジミール・プーチン大統領によって、今年の7月に初めてデジタル通貨を議論した際支持された。
そのとき、プーチンはビットコイン技術に対するロシア銀行の提唱を支援したが、同時にビットコインは「何者にも支援されない」、それゆえ特別な監視が必要だということを暗に示した。
ビットコインの未来はロシアではいまだおぼつかないが、おそらく、暗号通貨の熱心な支持者は今のところ安心してもいいだろう。財務省によって続行されている草案―ビットコイン変換を犯罪とするだろう―は、内閣で検証中で、処理には数ヶ月を要すると思われ、それから最終の承認を得るため、国会に提出されなければならないだろう。